ブックタイトル令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書

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概要

令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書

小学校児童の主体性を核に運動好きを育て体力の向上を図るす京都府京都市立朱ざくだいしち雀第七小学校School Data全校児童数全クラス数教職員数245名(男子131名女子114名)12クラス(内特別支援級1クラス)23名体力評価DE群の「運動が楽しいとき」平均選択数9.1個(全体平均5.7個)取組時の課題と目的Plan1取組時の課題(1)体力テストの結果に低下の傾向が見られた平成29年度の結果は全国平均を下回っていたが、平成30年度の結果はより低い結果となった。(2)外遊びの内容に固定化が見られた中休みや昼休みに実施される遊びの内容が、ドッジボールや固定遊具での遊びなど固定化されており、多様な動きの経験が十分とは言えなかった。2取組の目的(1)主体性を核に運動遊びの実践を広げ、体力の向上を図る特別活動で運動遊びを活用し、委員会がイベントを開いたり、異学年との縦割りで遊びをしたりすることとした。その際、企画そのものや運動遊びの内容を児童中心で決定させ、主体的な取組を促した。(2)目当てをもって挑戦する体育授業で体力の向上を図る教師が提示した学習内容を受動的に行うのではなく、児童一人一人が目当てをもち、挑戦することで、意欲的な学習となるようにした。取組の内容Do1体力テストの結果を教師研修に活用(1)教師間での現状把握職員会議で体力テストの結果を議題にした。全教師で体力テストの結果が全国平均を大きく下回っていることを認識し、現状を改善する必要性を確認した。(2)京都市教育委員会が作成した資料の活用京都市教育委員会が作成した「運動遊びハンドブック」には、様々な内容が紹介されている。職員で小グループをつくり、体力の現状や発達段階に合わせてどの運動遊びを実施すべきかを検討し、実施した。2児童の主体性を核にした特別活動児童が企画したイベントで運動遊びを実施代表委員会で「ハッピーにこにこパーティ」を企画・提案した。1・6年生、3・5年生、2・4年生がペア学年となり、上級生が運動遊びの内容を決定、イベントの運営も行った。その際、「運動遊びハンドブック」を活用した。年度によってイベントの内容は異なり、平成29年度は大なわ大会を実施した。休み時間に練習するなど盛り上がり、児童主体で運動習慣が広がった。3苦手な児童の身体活動量を保障する取組(1)苦手な児童も挑戦したくなる空間づくり通級指導教室には、低鉄棒やバランスボール、トランポリンが常設されている。休み時間、運動が苦手な児童を教師が誘い、鉄棒の練習をしたり、トランポリンで遊んだりして体幹を鍛えた。利用希望者が自主的に参加することも認め、場を積極的に活用した。(2)自分で選択可能な持久走の取組京都市では駅伝大会が盛んなため、年間通して6年生全員が早朝に持久走を実施している。今年度は児童の走能力、持久力に応じて、走る距離やスピードを選択できるようにした。そのため、意欲的に走る児童が増加した。4目当てを大切にした体育授業(1)目当てを明確に持つ学習カードに45分後になりたい自分の姿を記入した。授業の導入時には、教師が数名に発言させ、目当てをもっているか確認した。その際、漠然とした目当てではなく、例えば「側方倒立回転をつま先まで伸ばしてやりたい。そのために○○の場で練習する」など具体的な目当てを持たせており、これは全学年で継続して実施している。(2)個に応じた場の設置で何度も挑戦する目当てを達成するための多様な場、苦手な児童も挑戦しやすい易しい場を設定した。技術ポイントが示されたカードを技別の場に設置し、何度も挑戦できるように時間を確保した。(3)仲間に優しい学習集団毎月1日は人権「こころの日」である。その日を契機として「人には優しく接する」ことの大切さを日常的に指導している。そのため、苦手な児童が目当てを達成できるように優しく、粘り強く関わる姿が多い。56|第2章テーマ分析&取組事例