ブックタイトル令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書

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概要

令和元年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査報告書

中学校運動が苦手な生徒が意欲的に取り組める授業の工夫School Data全校生徒数全クラス数教職員数287名(男子152名女子135名)12クラス(内特別支援級2クラス)29名体力評価DE群の「運動が楽しいとき」平均選択数8.0個(全体平均4.5個)みのしま和歌山県有田市立箕島中学校取組時の課題と目的Plan1取組時の課題運動が苦手な生徒へのアプローチ本校は、歴史的にスポーツが盛んな地域に位置し、特に柔道、剣道をはじめとする武道や野球については、地域との連携による積極的な取組が行われている。部活動に加入する生徒の割合は全校で90%を超え、生徒は日常的に運動・スポーツに親しむことのできる環境にある。今年度の新体力テストの結果を見ると、特に女子は72.5%が総合評価AB群になるなど、体力面での成果も認められる。しかし、男女ともに約15%の生徒が新体力テストの総合評価がDE群となっていた。これらの生徒の大半が運動に対して消極的な態度を示していたことから、運動が苦手な生徒も意欲的に取り組むことのできる体育授業づくりの取組が始まった。2取組の目的運動が苦手な生徒や新体力テストでDE群に属する生徒が減少し、全ての生徒が運動好きになること、運動習慣が身に付くことを目的に、以下の取組を行った。(1)運動が苦手な生徒が積極的に参加できる学習過程の確立運動が苦手な生徒が、運動に興味・関心をもち、意欲的に取り組むことができる体育授業のサイクルを定着させ、全ての生徒が運動好きになることを目指す。(2)全員が役割と課題意識をもって取り組むことのできる教材づくり・活動づくり運動が苦手な生徒も意欲的に運動に取り組むことができるよう、個に応じた運動の機会を持つことができる教材・活動の工夫をする。取組の内容Do1「聴く→分かる→できる→楽しい」のサイクルを大切にした学習過程運動が「できる」ことのみを追求するのではなく、「分かる」ことも大切にして生徒の学習の深まりを導くことにした。そのために聴く→分かる→できる→楽しいという学びのサイクル(学習過程)をつくって実践を行った。このことで、理解と達成が、より大きな運動の楽しさと意欲を生み出すと考えた。そのために、授業の導入部分では、視覚的に分かりやすい掲示物を用意して、生徒一人一人に本時の課題や学びの見通しを持たせるようにしている。2運動が苦手な生徒も積極的に取り組むことのできる活動の工夫球技のゲームでは人数を減らしたり、ルールを話し合って決めたりするなど、簡易化したゲームを取り入れて、運動が苦手な生徒も意欲的に取り組むことができるよう工夫した。また、動きのポイントが視覚的に分かりやすくなるような教具の工夫も積極的に行われた。種目や学びの流れに応じて、男女共習の授業展開も日常的に実施している。3全員に役割を持たせる学びの定着全ての生徒が活動に参加し、良質な学びを得ることができるように、「学び合いマスター」「ゲーム記録・分析係」など、全員に役割を持たせて、それぞれの視点で学習に取り組むことができるよう配慮した。取組成果の評価Check本取組の成果として、本取組で設定した学習過程が定着し、運動が苦手な生徒を中心に、運動に対する姿勢の面で成果が見られ、生徒の運動実施時間も全国平均を上回るようになっている。また本取組を通して、教師間のコミュニケーションも活発になり、生徒の様子について情報共有する機会も増えている。今後の課題。Action各領域、各単元における、より生徒の実態に適した教材・活動づくりを進めることによって、より豊かに「伝え合う力」、生徒の運動に対する態度の向上、体力レベルの維持向上を継続することが今後の課題である。62|第2章テーマ分析&取組事例