スポーツ・レクリエーションで元気な高齢者を増やす
内閣府 が発表している「平成25年版高齢社会白書」によると、わが国の少子高齢化は、今後一層進展し、おおよそ50年後の2060年には高齢者率は39.9%に達します。しかも人口は減り続け、65歳以上の高齢者人口から生産年齢人口(15歳~65歳)を除いた数値(=ひとりの高齢者を支える生産年齢世代の人数)は、2015年が「2.26」に対し、2060年になると「1.27」となり、負担は倍近くになると推測されています。
このとき、介護が必要となる高齢者が増え続けるのか、元気で自立的な生活を維持する高齢者が増えるのかにより、国全体の活力は大きく異なります。元気な高齢者をいかに増やしていくかが、今後の重要な 課題の1つだと考えられています。
また、「スポーツ基本計画」においても、「若者のスポーツ参加機会の 拡充や高齢者の体力つくり支援等ライフステージに応じたスポーツ活動の推進」が具体的な施策の1つとして掲げられており、高齢者については、「国は、高齢者に対するスポーツ参加機会の拡充を図るため、<中略>多様なスポーツ・レクリエーションプログラムを開発し、その普及・啓発を図る」と明記されています。
そこで、日本レクリエーション協会では、文部科学省が実施する「高齢者の体力つくり支援事業」を受託し、さまざまな事業を実施しています。一人ひとりが体力や適正、健康状態に応じて無理なく楽しみながら、やりがいを持って継続的に実施できる運動・スポーツプログラムの普及・啓発を行うとともに、スポーツを通じて地域社会へと参加できる機会を提供するために、支援者の育成やプログラムの開発など、さまざまな切り口から事業を展開しています。
報告書
平成24年度から3か年に渡り、文部科学省より委託を受け実施した「高齢者の体力つくり支援事業」の報告書です。
超高齢社会を迎えている我が国において、高齢者が生きがいを持って健康で活力ある生活をおくれるよう、1人ひとりの体力や適性、健康状態に応じて、無理なくなく楽しみながら、継続的にスポーツ・レクリエーションに関われるような取り組みを行っております。
スポーツ・レクリエーションを通じた健康増進で自立した元気な高齢者を増やし行政負担を軽減し、本報告書が各地域で展開するスポーツ振興策の策定や地域での事業展開の際の参考にしていただければ幸いです。