レクリエーション運動の歴史

独自に歩んできた諸活動課題解決への道は必ず拓ける、と今に至るレクリエーション運動は物語る

戦後に産声を上げた日本のレクリエーション運動も、気がつけば60年という長い年月を歩んできた。人でいえば、還暦を迎えたことになる。人生同様、その道程は決して楽なものではなかった。

社会に翻弄され続けた60年、とも言えなくもない。が、紆余曲折を経ながら現在に至るまでに成長した背景には、レクリエーション運動に携わってきた人たちの地道な努力があったことを忘れてはならない。

IT革命が謳われた1990年代後半。以降、社会は目まぐるしく変化していく。
携帯電話は一台にして多様な娯楽が楽しめるまでに進歩した。インターネットの普及は、限りない情報の入手を可能とし、自宅にいながら映画鑑賞やショッピングができるなど、余暇スタイルにまで大きな影響を及ぼすようになった。人びとの生活の基盤は、情報化社会に傾斜していった。

21世紀初頭

利便性を語るうえでは、大きな貢献を果たしたIT革命だが、一方で、社会問題を増長させたことも否定できない。人間関係の希薄さ、非現実社会への逃避......。
こうした問題のすべてをIT革命と結びつけるのは、あまりに短絡過ぎる。核家族化、少子化、遊び場の減少といった、長年にわたる生活環境の変化によって、すでにそうした土壌はできつつあったのかもしれないからだ。しかし、IT革命は、問題を深刻化させた大きな要因の一つであることはまちがいないであろう。

いずれにせよ、こうした社会の歪みは、将来を担う子どもたちにとって、重大な事態へと導く結果となった。小学校低学年の子どもが被害者となる事件はあとを絶たず、加害者が未成年の事件(ある意味、彼らも被害者なのかもしれない)も続出していく。

こうした問題を受けて、文部科学省は2004年度から3ヵ年にわたり、「子どもの居場所づくり」推進事業を立ち上げることになる。全国子ども会連合会、ボーイスカウト日本連盟など、多くの青少年団体が参画し、「子どものためにできること」をそれぞれの立場で模索し、提供していく取り組みが始まった。レクリエーション運動に携わる人びとも、課題解決に向けて大きく貢献してきたことは言を俟つまでもない。

そして今、社会問題は、複雑かつ、多岐にわたって存在する。育児、福祉、虐待、介護、環境、いじめ、健康、生きがい......。そうした課題と直面したとき、ひとりの力ではなす術がないかもしれない。しかし、志を同じくする人がいるならば、課題解決への道は必ず拓けてくるだろう。それは、現在に至るレクリエーション運動が物語っている。

参考文献

『レクリエーション運動の五十年』
(日本レクリエーション協会 発行・編)